あなたはオトナの社員orコドモの社員?~オトナの社員だけがオトナの組織を作れる~

あなたはオトナの社員orコドモの社員?~オトナの社員だけがオトナの組織を作れる~

「オトナの会社、コドモの会社」

私が人事コンサルティング業界で働き始めた頃、感銘を受けた著書の1つに、『オトナの会社、コドモの会社』(ダイアモンド社,高橋俊介著,1997年)があります。多くの企業に見られる人材と組織の諸問題を”成熟度”という観点で浮彫にして、分かり易い表現で解説されていました。

ざっくりとオトナの会社とコドモの会社の特徴を挙げるとすると、

オトナの会社:
社員の自律性を引き出し、活かす仕組みが整っている組織

コドモの会社:
社員を権力で動かし、押さえ付ける仕組みで成り立っている組織

と言えます。

昨今、理想的な組織形態と言われている”ティール型組織”も、表現を変えれば究極的なオトナの会社と言えますし、今話題の”ブラック企業”はコドモの会社が発展した形と考えられます。

オトナの社員、コドモの社員とは?

では、オトナの会社やコドモの会社に対して、オトナの社員やコドモの社員にはどんな特徴があるのでしょうか?

アメリカで「未成熟・成熟理論」を提唱した行動科学者のアージリスは、組織内で働く「大人」と「子ども」の違いをこのように説明しています。

ここで述べられている大人・子どもは、年齢的に成人を迎えているかどうかではなく、精神的にどの程度成熟しているかの違いと考えの次元の高低を表現しています。

アージリスが挙げた上の項目だけではなく、


なども大人な人材と子どもな人材を分ける尺度になりえるでしょう。

皆さんの会社や皆さんご自身は、オトナとコドモ、どちらに該当するでしょうか?

人と組織に問題が生じる時

もし、オトナの会社でオトナの社員が働くことができれば、組織としての生産性が高く、かつ個人としての満足度も高い組織が実現できるでしょう。反対に、コドモの会社でコドモの社員が働く場合も、はっきりとした主従関係が成り立つので運営自体はできるはずです。

しかし、組織と人との成熟度にミスマッチがある場合、組織の側にも人材の側にも葛藤とストレスが生じるようになります。具体的には次の2つの状況が考えられます。

①オトナの会社×コドモの社員
②コドモの会社×オトナの社員

①オトナの会社×コドモの社員

組織や制度マネジメントは整っているのに、人材が育っていなくて機能しない状況です。実は、私がコンサルや企業内研修で関わらせていただく組織でもよく見られる状況で、社員に自由と権限とリソースが十分与えられても、むしろ「何をしたら良いか分からない」と立ち止まってしまうことで、結果的に「形だけのティール型組織」「形だけのフラット型組織」になってしまっています。

②コドモの会社×オトナの社員

現場の社員の創意工夫や新しいアイディア、提案が全く経営やマネジメントに反映されない、残念な組織の状況です。最近では、オトナの社員たちはコドモの会社の稚拙さを見破ってすぐに転職してしまうので葛藤も少ないですが、問題はコドモの会社の経営者層が「自分達がコドモであること」に気付かないことにあります。形式や制度だけオトナでも経営者層がコドモであればオトナの社員を扱うことはできません。

最初に人材ありき

つまり、オトナの会社でなければオトナの社員をうまく扱うことができず、そのオトナの会社を経営するのもオトナの社員でなければならないということです。

「最初に人材ありき」です。組織のリーダーが考える必要があることは「人材をいかに活用するか」で、組織や制度はその次だと認識する必要があるでしょう。

オトナの社員を採用したければ、まずは経営者層が皆オトナの社員となってオトナの会社を作ることが必要ですし、オトナの会社で働きたければ自分がオトナの社員にならなければなりません。

最後に

かの有名なピータードラッカーは、「企業が衰退する最初の兆しは、意欲のある有能な人材に訴えるもの(魅力)を失うことである。」という言葉を残しました。

オトナの社員は、自分自身が成長できて良い仲間や先輩、後輩と刺激的な関わり合いをしながら新しい価値を生み出すことを求めています。単に制度を作って、給料を上げたり、昇進させたりするだけでは不十分です。

オトナの社員にやりがいを提供し満足させることができるリーダーの元に、オトナの社員が集まるようになり、オトナの組織を作ることができるのです。

   
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