リーダーにしてはいけない人~組織を疲弊させないためのリーダー選びの極意~

リーダーにしてはいけない人~組織を疲弊させないためのリーダー選びの極意~

組織の管理者、指導者の人事を行なう時は、たとえ今の実力が十分とは言えなくても将来の活躍を期待して抜擢することがあるものです。「役職が人を作る」という言葉があるように、役職に就くことによって徐々にその地位に見合った実力を身に付けていくこともあるでしょう。しかし、抜擢されたその人が人事の期待通りに変化してくれないこともありますし、間違えたリーダー選びの結果、組織が疲弊してしまうことも起こり得ることです。

ここで言う、「組織の疲弊」とは組織の求心力、業績、生産性等が落ちることを指しますが、何よりメンバーたちの意欲と組織としての一体感が損なわれ、「優秀な人から辞めていく」という残念な状況をもたらすという点で、深刻です。

もちろん、役職に就いた後でOJTを含めた教育や各種研修によって着実に実力を付けていかれる方々もいらっしゃいますが、私が人事コンサルタントとして企業に関わらせていただいた経験から見えてきたのは、初めからリーダーとして抜擢しない方が良い人材もいるという現実でした。今回は、企業内教育やコーチングの効果があまり期待できないという意味で、「リーダーにしてはいけない人」の特徴を3つ挙げさせていただきます。

1) 自己愛が強すぎる人

社会生活を送る上で、健全な自己肯定感・自信を持つことは必要なことです。しかし、健全の域を通りこし、部下や後輩を自分の価値を高めるための存在として利用しようとする人たちがいます。1)に該当する人は自己アピールに長けているので隣の部署など関係性が遠い人たちからの印象は良いのですが、巧妙な形で部下や後輩を”引き立て役”に仕立てるので、近くで一緒に仕事をした人からは「二度と関わりたくない」という烙印を押されるのが特徴です。「自分が踏み台にされた?」という疑念と失望感は組織内での信頼関係を大きく損なうのです。

よく「部下の手柄を横取りする上司がいる」と言いますが、1)に該当する人たちは、悪気なく部下の業績をさも自分の手柄のように認識しアピールします。そこには「横取りしている」という自覚がなく、「部下の手柄は管理者である自分がよく教えたから」(自分のおかげ)という強い思い込みだけが存在します。絶対的な仕事力は少ないのに、手を動かさずに口だけ出していることを大きな貢献だと考える節もあり、一緒に仕事をすると苦労が大きいタイプと言えます。

このような特徴がある人をリーダーに抜擢する時には注意が必要です。社内人事であれば過去に直属の部下だった人たちから当時の仕事ぶりを聞いてみることですし、社外の人材であれば前職で成功させたプロジェクト等で、何を・どれくらい・誰と・どんな環境で・どのように実践してきたのかを聞いてみて、真実さの程度を確認することが必要でしょう。

2) 自分に期待されている役割を理解しようとしない人、理解しても行なおうとしない人

自分が所属する指導者として求められている役割を理解しようとしない人たちがいます。たとえ組織のトップから期待される役割や目指すべき目標を具体的に伝達されたとしても、自分なりのマネジメントスタイルや仕事への取り組み方を崩そうとしません。

最近、私が体験した事例では、ある企業の支店長さんが「10年後を見越した組織体制づくり」を組織目標に掲げていたものの、実のところはご自身がそのエリアの支店長に在任している期間だけ業績を落とさなければそれで良し、と考えていたことがありました。その方は、部下たちからは「うちの支店長はビジョンがない、信念がない」と評価されていましたが、自分中心のビジョンや目論見はしっかりと持っていたのです。

今の時代、個人の目標を組織の目標に完全一致させることは難しいとしても、自分に期待されている役割を理解しようとしない人、理解しても行なおうとしない人を、リーダーに抜擢することはお勧めできません。抜擢する前に、「過去に組織から何を期待され、それに対してどのように貢献してきたのか」詳しく話を聞くことが必要でしょう。

3) 決断し責任を負おうとしない人

管理者、指導者の仕事の中でも最重要なのが「決断すること」です。決断することで責任が生じますが、この責任を負うことを過剰に避けようとする人がいます。特に部下が期待通りに業績を上げられない、ミスを犯したという場面で、部下を非難するばかりで責任を負ってあげようとしない人は指導者として相応しいとは言えません。

最近は社会全体的に、叱られたり指摘を受けることに不慣れな若者たちが増えたと言われていますが、だからといって指導者が注意も指導もせずうまく業務を進められないことを放置した上、責任を負わず、陰で非難をしたりこっそり査定を下げるようでは、組織の発展は望めません。

まとめ

リーダーにしてはいけない人の特徴を3つ挙げさせていただきました。上記の事柄は表面的な会話だけでは見えてこない部分かと思いますが、過去の仕事ぶりは現在のその人の能力、実力、人望に必ず現れているものです。詳しく人物を観察し分析をすることが大切です。

   
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