「強引な人」が輝く仕事の選び方

「強引な人」が輝く仕事の選び方

 

1) 2種類の「強引な人」

突然ですが皆さんは、「強引な人」ですか?

「強引」という言葉には、自分勝手で周りを顧みない人のような、マイナスのイメージを持つことが多いかもしれません。しかし、強引さにはプラスの面もあります。例えば、自分の意向を臆することなく他者に伝えることができたり、相手の意向に流されずに自分の目標に向かって進めたり・・・。実際に、優れたリーダーの中には強引な人が多い(?!)ような気もします。今回はこの「強引」な人が輝く仕事の選び方をお伝えしたいと思います。

「強引な人」と言いましたが、強引な人にも2つのタイプが存在します。私はこの2つのタイプを「わがままタイプ」と「天然インフルエンサータイプ」と呼んでいます。

2)わがままタイプ

1つ目のわがままタイプは、何時何時(いつなんどき)も自分の意向通りに物事を進めたいタイプの人です。相手の立場を思いやれる人格や社会性が伴っていなかったり、押しが強い人が該当します。例えば、「ストーカー」として訴えられる人は、典型的なわがままタイプと言えます。ストーカーは相手の感情を無視して一方的な好意を押し付けてしまったり、相手が期待通りの反応を示さないと気分を害し、さらなるアプローチを重ねたりします。ストーカーは過度な例ですが、皆さんの周りにも相手の感情を気にせずに行動してしまうわがままタイプがいるのではないでしょうか?その場合には、適度な距離感を保つことをお勧めします。

3)天然インフルエンサータイプ

2つ目の天然インフルエンサータイプは、先天的に「他者に影響を及ぼしたい」という気持ちが強いタイプの人です。「(相手にとって)これは良い!」と思ったら黙っていられない人が該当します。例えば、自分自身が「この唐揚げは美味しい!」という経験をしたら、周りの人にその唐揚げを勧め、その人から「本当に美味しい!」と言わしめることで大満足する人は典型的な天然インフルエンサータイプです。天然インフルエンサータイプの人の至上の喜びは、相手の首を縦に振らせることにあるため、自分の説得により相手が納得し、考えや行動を変えてくれると大きな充実感を覚えます。

米心理学者のハーバート・グリーンバーグ博士は、後者の「強引な人」のことを「説得欲が強い人」と説明しています。説得欲とは、天然インフルエンサーの願望である「相手の首を縦に振らせること」を指しますが、天然インフルエンサータイプの人は、説得欲が満たされないとストレスが溜まり、もどかしさの中で生活を送らなければなりません。

4)「強引な人」が輝く仕事

では、どのようにすれば説得欲は満たせるのでしょうか?

説得欲を満たすには、顧客に対し、説得する機会と決断を迫る場面が多い仕事に就くことが一番の早道です。

例えば、顧客に商品やサービスを勧める営業職の場合、年に1度か2度しか案件をクロージングしないため、説得欲が満たされる前に飽きてしまう可能性があります。逆に、新規開拓の営業やインバウンドセールス、単価の高いアイテムを扱う店舗の販売スタッフ、コールセンターのアウトバウンドセールス等、顧客に対し「いかがですか?お勧めですよ」とお勧めし、「じゃあ、○○さんの言う通りにするよ」と言わしめる機会を頻繁に持つような仕事は、天然インフルエンサータイプが輝ける仕事です。

傍から見ればハードに思える仕事の数々も、天然インフルエンサータイプの人にとっては、説得欲を満たせる最高の仕事になりえるのです。

5)まとめ

◎「強引な人」にも「わがままタイプ」と「天然インフルエンサータイプ」が存在する。

◎「強引な人」が向いているのは、顧客に対し、説得する機会と決断を迫る機会が多い仕事である。