休むことも仕事!休み上手な人が良い仕事を創り出す

休むことも仕事!休み上手な人が良い仕事を創り出す

はじめに

働き方改革やワークライフバランスという言葉が叫ばれて久しいですが、世界的にも私たち日本人の自覚としても「日本人は休みをあまり取らない」という印象があります。
今回は休むことに罪悪感を感じている人、無理をしがちな人に向けて、上手く休むコツについてお伝えします。

無理をしがちな人の休み方

無理をしがちな人は、「任された仕事が全部終わってから休もう」と考えます。仕事自体がストレスなので、終わらせることで解消しようとする訳です。

しかし、この考え方では時間のかかる仕事はいつまでも終わらず、ルーティンワークだと終わらせてもまた同じ仕事をするので、いつまでもストレスが解消されません。

思ったより仕事が早くできて帰っても、たまった疲労で倒れ込んでしまいます。

人によっては疲労とストレスが溜まっていき、いつかピークを迎え、これ以上できない、という状況に突然陥ることもあります。

休むことへの罪悪感を手放す

みんなが仕事をしているのに自分だけ休むことに罪悪感を感じる、という人も多いです。

エクスペディア・ジャパンが毎年実施している「世界19ヶ国 有給休暇・国際比較調査」では、日本は2016~2019年までの4年間、有給取得率が世界最下位でした。

2018年の調査では、有給休暇の取得に罪悪感がある人の割合は58%で世界1位、自分は今より多くの有給休暇をもらう権利があると考える人の割合は54%と世界最下位です。

この結果の根本は「休む」こと自体を「怠けている」「周りに迷惑をかける」とネガティブに考える傾向があるからではないでしょうか。無理をして働くことが武勇伝のように語られ、微熱や多少の体調不良くらいなら仕事に行く、という人もいます。

しかし本来、休むことは心身を回復させ、落ちていた自分のパフォーマンスを取り戻すために必要なことです。休みを取らずに疲労が蓄積しているとミスも増えますし、正しい判断もできなくなります。

そして今は新型コロナの影響で、体調不良・微熱などがある場合は休む、無理をしないなど、自分の健康状態をもっと顧みて働くことが推奨されています。もちろん、ワクチンの副作用での休みも認められていることでしょう。自分の健康状態を優先し、もっと自分を大切に考えても良い状況になってきたのです。

休むことへの罪悪感はこの機会に手放してしまいましょう。

働きながら休むコツ

意識を変えただけではなかなか習慣は変わりません。ここでは働きながら休むコツについて2つの方法をご紹介します。

1日の集中力を保つ「ポモドーロ・テクニック」

「ポモドーロ・テクニック」という時間管理術をご存じでしょうか。25分毎に5分の小さな休憩と、2時間毎に30分間の休憩を取ることが基本となります。会社の就業規則でお昼は1時間あるという人は、30分を1時間に置き換えればいいでしょう。

仕事の終わりを一区切りとするのではなく、時間で強制的に区切ってしまいます。25分は集中力し、5分間はリラックスする時間を持つ、ということです。25分も自分の集中力がもっと続くなら、40分、50分と変えても大丈夫です。こまめに休憩を取ることで回復し、集中力の高い状態が増え、生産性の向上につながります。

そして休憩時間はできればスマホから離れ、脳を休める時間にしましょう。おいしいお茶を淹れてみたり、ストレッチをしたり、その時間が自分の楽しみの時間になったらもっと良いですよね。

自分の裁量で動く時間を作る

休むことは心身の回復のために必要と先にお伝えしましたが、加えて「自分のための時間を持つ」ことも大切です。

“何かをしなければ”でも”誰かに気を遣いながら″でもなく、本当に自分がやりたいことと時間を自分の裁量で決めるのです。自己効力感の向上に繋がりますし、自分が本当にやりたいことをやるので充実感も高まります。

1日の休みの内、数時間でも良いです。3時間あれば映画も1本見れますし、近所の行きたかった美味しいお店に行くこともできます。何も決めておかずに、インスピレーションで1日動いても意外に面白い1日を送れるかもしれません。

大切なのは、自分で決めて動くことです。いざ時間があっても何をしたら良いか分からなくなりそうなら、やりたいことを思いついた時に書き留めて「やりたいことリスト」を作っておくと良いでしょう。

休むことは違うことを創造し、楽しむこと

休むことは単に「仕事をしないこと」ではなく、普段使っている時間と考えの方向を変えることで、新しい風を自分に吹き込むことでもあります。

画家のゴーギャンは、「私は見るために目を閉じる」という言葉を遺しています。人物を描く時に目を閉じることでその人の内面世界が見えてきて、それをキャンバスに描いたそうです。

国際大会に出るアスリートたちも、競技の前に深呼吸をしてじっと目を閉じる姿を見ることが多いです。短い時間目を閉じるだけでも脳を休ませる瞑想効果があり、心の安定が得られパフォーマンスの向上に繋がるからです。

脳は潜在意識の中では繋がっています。問題から少し離れて違うことをして過ごしている内に解決策が見つかったという経験がないでしょうか。ある人はお風呂やトイレの時間にぼーっとしていて良いアイデアが思いつく、と言います。

休むことは何もしないことではなく、違う方向や視点に目を向けることで新しいことを得ることにも繋がっているのです。

まとめ

今回のタイトルにある「休むことも仕事」という言葉はある人から教えてもらった言葉です。仕事と休むことを切り離して考えるのではなく、1日仕事をしても、終わってから休もうとするのではなく、途中で上手く休みを取っていくことで、心と体をリフレッシュし、新しい気持ちで楽しく続けて仕事に取り組んでいくことができる、ということです。

休むことをネガティブに捉えず、自分なりの休み方でストレスを解消し、良いアイディアも思いつき、仕事が楽しくなる、そんなサイクルを作っていけたら良いですね。

【参考】

1日ごとに差が開く 天才たちのライフハック(許成準著、2019年すばる舎)
リモート疲れとストレスを癒す「休む技術(西多昌規著、2021年大和書房)