「当たり前」はどんどん変わる!変化に強い組織の作り方
- 2024.12.27
- リーダーシップ 組織運営
- #優れたリーダーほどオープン, #脱秘密主義
「当たり前」の変化と2つの組織スタイル
過去を振り返ってみると、私たちは何年かに一度は、リーマンショックやコロナ禍のような大きな経済危機を体験してきました。現在の円高や物価高騰も、ビジネスにとって重要な課題だと言えます。
このような、昨日までの「当たり前」が突然、当たり前ではなくなるような変化に遭遇した時、その組織を導くリーダーの考えやスタンスによって組織は全く違う方向へと進んでいくようになります。
今回は、以下の2つのタイプの組織を例に挙げ、変化に強い組織作りについて考えていきましょう。
◎外から学ぼうとしない「独善的な組織」
変化に抵抗し、危機に直面すると過去の成功体験に立ち戻って耐えようとする
◎最善を追求する「研究し努力する組織」
変化を期待し、危機のさらに先を見据えて研究する
外から学ぼうとしない「独善的な組織」のリーダー
変化に抵抗し、危機に直面すると過去の成功体験に立ち戻って耐えようとする傾向があるリーダーの組織です。
あらゆることをリーダー陣が決め、メンバーや現場は黙って従うことが求められます。
現場メンバーからの余計な口出しは無用であり、必要なことはリーダーから指示するコミュニケーションスタイルです。
現場を知るメンバーが何を感じ、どのように考え、どうして行きたいと思っているのか関心を持つ必要が無いため、リーダー陣は居心地が良い環境かもしれません。
この傾向がある組織は、時流に恵まれ市場を捉えた成長をしている時は順調ですが、市場が落ち着いたり、危機が訪れた際は外から柔軟に学ぶ姿勢がなく、運に恵まれていた成功体験にしがみついてしまうため、低迷していきます。
また、居心地の良い人たちはより一層、自身の立場を作るために秘密主義になり、より支配的になり、私欲や保身の力学が働き、組織としては不健康な状態となっていきます。その結果、メンバーの組織へのロイヤリティーは低下し、不信が増殖していきます。
右肩上がりの高度経済成長時の昭和の時代には、経験値が豊かなリーダーの過去の経験を参考にし組織を導いていくことが効率的かつ生産的でした。また、経済成長期であった安定こそがメンバーのロイヤリティーを高めていました。しかし、変化や今回のような脅威にさらされると、このような組織は学び研究する習慣がないめ、的確な打ち手が打てず、近視的で孤立した状態になる傾向があり、スピードは様々ですが低迷していきます。
上記のマネジメントスタイルで太刀打ちできる時代では、もはやなくなっていると考えられます。
しかし、このマネジメントスタイルは未だに受け継がれており、若いリーダーやベンチャー組織でさえも、この傾向を持つリーダーが少なからず散見される状態です。
最善を追求する「研究し努力する組織」のリーダー
変化を期待し、危機のさらに先を見据えて研究する傾向があるリーダーの組織です。
外部や内部から様々な情報を得る努力をし、組織の中でその情報を循環(共有のループ)させます。
自らの経験だけに頼るだけではなく、様々な情報から研究していくため、その情報を共有し、メンバーからの意見や知見を引き出し、リーダーはその判断の責任を負います。
「メンバーは目先のことしか考えていない」と話すリーダーは散見されますが、少なからずリーダー自身が適切な情報の循環をさせる努力を怠っていることがその要因になっている場合があります。
変化の激しい時代においては過去の成功が通用する可能性は高くはなく、変化を見据えて先手先手の打ち手を打てるように、メンバーを活かしていく必要があります。
今は解決すべき問いが複雑化・多様化した時代であり、リーダーだけが解を出せる時代ではもはやなくなっています。常に現場の状況と情報、知見を吸い上げ、アイディアを活かしていくことがリーダーの仕事の重要なポイントとなっています。
リーダーとして、最善を追求する「研究し努力する組織」を創るには
そのような状況にするためにはメンバーにとって自らの強みを活かせるようにのびのびと発言や挑戦、研究できる健康的な環境を作ることがリーダーには求められます。
現場を知るメンバーが何を感じ、どのように考え、どうして行きたいと思っているのか関心を持つことが重要になります。
組織が研究し努力できるようにするためにも、リーダー自身が外から学び情報を循環させることが役割になります。また、リーダーが果たせる役割として部門の垣根を超えて交流を創り出し、組織の情報を滞留させず循環させることです。この循環が新しい有効なアイディアを生み出します。
最善を追求するこの組織の姿勢はメンバーの生産性を上げ、組織へのロイヤリティーも高めます。情報を循環させる文化となっているため、秘密主義となる余地がなく、健全な状態となりえます。
危機的な状況が訪れても、有効な情報をスピーディーに集め、優れたメンバーの知見をもとに打開策を検討することが可能です。
まとめ
危機的な状況の中で誰も経験をしたことがない課題を解決していくためには、その組織のあり方、リーダーのあり方がより重要になっていると考えます。
独善的になることなく、脅威が襲ってきたとしても、乗り越えられる組織・リーダーとしての土台を作っていきましょう。
※本記事は2020年5月11日に投稿された記事のリメイク版です。
-
前の記事
不満を生み出す空気 Vol 4 「刺激的な言葉で世論をつくる」 2024.12.20
-
次の記事
記事がありません
コメントを書く