第三週 変化の時、リーダーは何をすべき?’統率力’と’カリスマ’の開発のススメ
6 月特別企画「変化の時」
非常事態宣言が解除され、今、あらゆる業界、組織、個人が変化の時を迎えているのではないでしょうか。今月は「変化の時」をテーマにした記事をお届けします。
はじめに
この数か月で私たちにとっての日常は大きく様変わりしました。デジタル版のメディアの接触が増え、⽣活のオンライン化が進んだ今の生活は、もはや完全に元に戻ることはないと言われています。そのような変化の中で新しい日常を模索しているのが今の時期だとも言えるでしょう。
組織のマネジメントにおいても、コロナの前と変化の過程にある今とでは、同じように進められない場面が増えていますし、平常時と混乱期とでは求められるリーダーシップのスタイルが変わってきます。この変化の時、混乱期にリーダーに求められるのは「統率力」の発揮です。今日は、変化の時だからこそ今私たちが早急に開発すべき統率力について考えてみたいと思います。
混乱期に「統率力」を発揮する3つの要素
「統率」はリーダーシップの機能であり、「統率力」はリーダーが発揮すべき能力です。ここでは特に変化の時、混乱期に統率力を発揮するために必要な要素を挙げてみたいと思います。
スピード感
変化の時は、時間をかけて審議して根回しを繰り返しながら総意に持っていくという日本的な意思決定と推進のスタイルは功を奏しません。ちなみにAIやドローンなど最先端の技術を持っている海外の企業を日本企業が買収しようとする時、大きな弊害になるのが「スピード感」だと言われており、例えば中国や韓国の企業と競合した場合、日本企業は意思決定のスピードの面で圧倒的に劣るため不利になることが多いのです。
混乱期においては、いつも以上に意思決定と推進のスピードを上げるよう、リーダー自ら努力することが必要でしょう。
新しいアイディアを伴う判断力
変化の時は、今までのやり方や過去の成功事例では直面する諸問題を解決できない状況になります。そのような状況の中で、新しいやり方や最新の事例を問題解決の選択肢に入れられるかがとても重要になってきます。
新しいアイディアや新しいやり方を考案するためには、会議室の中にいるだけではなく、リーダー自ら現場でリアルに問題にぶつかる事が必要です。また、「何とかしなければ」という責任感と切実さを持つことが不可欠です。問題を先送りしたいと思ったり、責任を負いたくないと思っているとしたら、この判断力は落ちるしかありません。
民意を汲み取りすぎない決断力
変化の時はボトムアップ式に意向を確認する以上に、適時トップダウンで手立てを打っていく必要があります。多数の賛同を得られない状態であっても、決断し実行に移さなければ対処の時を逃すこともあります。皆に支持してほしいという気持ちが強い人、賛同がないと不安になる人は、適時適切な決断を下すことが難しいでしょう。
以上、3つの要素を挙げましたが、リーダーが今まで以上にこれらを意識することが大切です。
「カリスマ」という言葉
優れた指導力を発揮している人を「カリスマリーダー」と呼ぶことがあります。「カリスマ」という言葉を調べてみると、元々はキリスト教用語で「神の権能が具現化された状態」を指すそうです。凡人に神が臨んで超人的になることがカリスマだということです。
一般的にカリスマリーダーと言われる人たちは、類まれなる才能と奇抜な言動に注目が集まることが多いですが、普通の人であっても、先述した3つの「統率力」の要素を兼ね備えて、超人的な指導力を発揮できればそれがカリスマだと言えます。
つまり、誰もがカリスマリーダーになりうる存在だと言えます。
「判断力」と「決断力」は別の能力
ここで注意が必要なのは、判断力と決断力は似て非なるものだということを知ることです。
決断には勇気が必要ですが、判断しない決断は「無鉄砲」なだけで、むしろその決断により損害を被ることになります。リーダーの決断に判断力という土台がないと組織全体が間違えた方向に向かい衰退するようになります。
最善最適な決断を下すためには、日々判断力を向上させることを忘れてはなりません。
まとめ
今回は、統率力を上げる3つの要素についてお伝えしましたが、この3つの要素の中で最初に向上を目指すなら「スピード感」だと思います。
スピード感は「いつも以上に速く進めよう」という意識次第で向上させやすいですし、判断力や決断力の向上にも関連があるからです。スピード感を上げようとすると、全てを速くしなければならないことが分かります。仕事1つにしても、速く確認し、速く把握し、速く判断し、速く決断し、速く行動してこそ速く進めることができます。スピード感を上げようとする意識が、延いては統率力を高めることに繋がっていくのです。
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