第四回 自分のための時間とお金の使い方~自己投資の楽しさを知る

第四回 自分のための時間とお金の使い方~自己投資の楽しさを知る

9月のテーマ「自己成長」
「With コロナ」生活が定着しつつあります。自分一人で過ごせるこの時期は、自分成長に投資できる機会でもあります。今月は「自己成長」をテーマにして記事をお届けします。

はじめに

「いつかまとまった時間ができたらやろう」と思っていることはありませんか?
ステイホーム期間中のSNSやブログで、「時間ができたから外国語の勉強を始めた」など”以前からやりたかったけどできなかったこと”に挑戦する報告をたくさん見かけました。自分のために何かをすることは、忙しい毎日の中ではつい後回しになりがちです。

今回は自分のためにお金や時間を使う「自己投資」についてお伝えします。

自己投資は未来の自分のため

自己投資とは、自分の価値の向上や将来の幸せのためにお金と時間を使うことです。混同されがちなのが「自己浪費」です。同じ自分のために行うことですが、一時的なストレス解消や楽しさを得るためだけにお金と時間を使うことなので、後に残るものがあまりありません。投資には「未来の自分の価値の向上と幸せ」のためという長期的な視点と明確に得ようとする結果があります。

人のため?会社のため?自分のため?

「自己投資は、一番高い利子をあなたに支払う。」

18世紀アメリカの科学者・政治学者ベンジャミン・フランクリンの言葉です。

自己投資の元は自分ですから、お金と違ってなくなってしまうことはなく、非常に安全でリターンの多い投資です。しかし、家族や仕事のことを考えて、自分のためにお金や時間を使うことをためらう人も少なくありません。

日本人である私たちは、諸外国に比べ自分よりも世間体や人のことを優先する傾向が強くあります。旅行中に知り合った台湾人の女性は、夫と中学生の息子の了承を得て短期留学に来ていました。中国や台湾ではよくあることだそうです。

加えて日本には「空気を読む」「人に合わせる」民族性があるので、自分を優先にすることに慣れていません。1週間を振り返ってみて、「自分のための投資の時間」がどのくらいあったのかを考えてみてください。思ったよりも少ないのではないでしょうか。

「家族のために」「友人のために」「仕事のために」が悪いことではないのですが、自分の向き合うべき問題からの逃避であったり、それがなければ自分の価値がないと思ってしまうような場合は要注意です。

Googleの20%ルールと社員への投資

自分のために時間とお金を使うことに抵抗を感じる人のために、個人から拡大して会社単位で自己投資を行なって成功した事例を紹介します。

「Googleの20%ルール」をご存じでしょうか。2004年の株式初公開の際、スタートアップの理念として発表され話題になりました。20%ルールとは、「勤務時間のうち20%の時間を、自身が取り組みたい新規プロジェクトに費やすことができる」という制度です。社員の労働時間の20%を会社の未来に投資した結果、GmailやGoogleMapなど素晴らしいサービスを生み出し、イノベーションの源泉とまで言われました。

また、社員の働く環境と福利厚生にも力を入れています。健康のために敷地内にスポーツ施設があり、トレーニングやバレーボールなどの球技ができます。社屋には音楽ルームや図書館もあり、1日3食を社員食堂で無料で食べられるなど、うらやましい限りです。これによって社員のモチベーションとパフォーマンスが上がり、会社が好きになり人の定着率も良く、良い評判となって良い人材が集まります。社員のためにお金を使うことは、未来の人的資源を確保するための投資なのです。

自己投資は

では個人に落とし込むとどうなるでしょうか。

自己投資=資格の取得、と考える人もいますが、スキルアップだけが自己投資ではありません。

たとえば、今まで入ったことがないような格式高いレストランや料亭で高いコース料理を食べることも、自己投資です。新しい体験を楽しめますし、将来どんな高級なものを食べる席に着いても慌てることがありません。

また、スポーツジムに通ったり、夜寝る前に時間をかけてしっかりストレッチしたり、朝20分ほど散歩することなどは、現在の健康維持だけではなく、年老いていく未来の自分のための投資です。

何が自己投資になるは人それぞれです。大切なのは「将来の自分のために」であること。自分が将来こうなっていたいと思うことがあるなら、1日10分だけ、1ヶ月に3000円だけなど、小さい自己投資から始めてみましょう。それだけで新しい世界が広がり、未来の自分への可能性が感じられるようになります。

過程の中でも得て、結果でも得る

人は生まれてからしばらくは、保護してくれる人の元で育ちますが、本当に自立・成長するには自分が自分を育てていかなければいけません。自己投資は、結果を得るまでの過程の中で自分と向き合い、自分を育てるチャンスを生み出します。

それを始めたからこそできた思いがけない経験や出会えた人が、自分を育てる糧になっていきます。だから結果を得るまでの過程をいかに楽しむかがポイントです。ハイキングも、目的地に着くことばかり考えて歩いていては辛いですよね。途中で休憩もし、おやつも食べて、景色も眺めてこそ目的地まで楽しく歩いて行けます。

自己投資は、半年~1年で結果が出るなら早い方で、リターンには時間がかかります。結果が出なくて焦るより、経過の中で楽しみ、経験や出会いを重ねていくといつの間にか大切なものも増え、結果も得ることになります。

まとめ

今回は自己投資についてお伝えしました。

私は最近股関節の硬さを解消すべく、寝る前に15分ほどの開脚ストレッチを始めました。初めはかなり痛かったのですが、3週間ほどでだいぶ動きになれ、人よりはまだまだ硬いものの、体感としてだいぶ柔らかくなってきました。将来怪我をしにくい体を作るために始めたことですが、血流が良くなりむくみも取れ、姿勢も良くなるなど、期待以上の効果も感じています。

自己投資、思わぬ副産物もたくさんあるので、小さいことから初めて、結果でも経過でもたくさんのことを得ていきたいですね。