会議のモチベーションと質を高めるためには?できるビジネスパーソンが知っている仕事術

会議のモチベーションと質を高めるためには?できるビジネスパーソンが知っている仕事術

はじめに

ビジネスにおいて会議は必要不可欠なもの。しかし、会議を退屈で時間ばかりが消費されると感じている人も少なくないでしょう。マンパワーとして考えるなら、8人で1時間の会議をすることは、1人の人が8時間の時間を使う以上の力があります。どうせなら効果的にやりがいがあるような時間の使い方をしたいものです。

参加者のモチベーションを高め、会議の質を上げるためにできることは何でしょうか?今回は意外と知られていない会議の基本についてお伝えします。

※本記事は2020年3月30日に投稿された記事のリメイク版です。

目的に合ったスタイルと効果的な方法を使う

既に当たり前にやっていることかもしれませんが、少しの工夫で参加者のモチベーションを上げることができます。

大人数への報告・情報共有:講義(レクチャ―)型

決算報告や、大きなプロジェクトのキックオフには講義型が使われます。

一方的な情報伝達ではなく、参加者に対して事前に質問事項を集めたり、アンケートを実施したりして先に関わりを作っておくと、自分の意見がどう反映されているのかが楽しみになり、参加意識が上がります。

情報共有・スケジューリング・意思決定:討議型

20人未満の会議、部署やチームの定例会など、机をコの字(もしくはロの字)にして行なわれます。

どこに時間を多く割くのか優先順位を考え、時間配分を決めておきます。事前資料や既出の決定事項はできるだけ事前に配布し、参加者にはある程度内容を共有しておくと、余計な説明を省けるため早く本題に進むことができます。

問題発見・アイディア創出:ブレイン・ストーミング(BS)型

文字通り、”ブレイン(頭脳)”で、問題に”ストーム(突撃)”していく形式です。

「~は導入するべきか」など、一つの結論を求める議題には向かず、「~にはどうしたら良いか」という、解決策が多く出てくる可能性がある議題に向いています。

活発なBSのための4つのルールを押さえておきましょう。

①自由奔放:どんな発想も歓迎する、突拍子もない意見でも構わない
②批判厳禁:どんなアイディアも批判しない
③量で勝負:とにかくどんどん意見を出してもらう
④便乗発展:出てきたアイディアを更に膨らませて発展させる

終わった後は、出てきたアイディアを整理し、具体化させていきます。

時間管理

情報伝達だけで時間を消費し、意見交換や意思決定まで至らず時間切れで次の会議予定が設定される…なんてことがないように時間管理をしましょう。ある程度の時間配分をしておき、必要なことに多く時間を割きます。また、会議での発言は「3S(Short=短く、Simple=簡潔で、Straight=直接的に)」を心掛けてもらうようにします。発言の持ち時間を決めておくのも良いでしょう。

役割分担

会議は役割分担をした方が断然効率が良いです。代表的な役割を紹介します。

①運営

会場設営・資料配布・案内・出席確認・プロジェクター操作など、多岐にわたります。リストアップしておき、準備の漏れがないようにします。一度シミュレーションしておくと、必要な準備ややるべきことが具体的に見えてきます。

②ファシリテーター

近年よく聞かれるようになった「ファシリテーター」ですが、「ファシリテーション(円滑にする、作用しやすくする)」から来ています。

会議の進行役であり、方向性を決める船長の役割です。会議の雰囲気はファシリテーターにかかっていると言えます。
寛容で中立的な立場が望ましく、発言が特定の人に偏らないようにし、参加者が納得いく方向に導きます。質問や提案をしたり、要点をまとめたり、場面に応じて柔軟に対応し、参加者が発言しやすく、かつ考えがまとまるようにします。

組織を跨がる会議になるほどファシリテーターの役割は重要になっていくため、専門の養成講座も様々なところで行なわれています。

③書記

会議の記録を取る人です。ホワイトボードへの板書、プロジェクターでのメモの投影など方法はいくつかあります。会議中には参加者の認識をすり合わせるために必要とされ、会議終了後には議事録を作成し参加者に早くフィードバックします。

④議長

議決権を持つ人です。小さな会議ではファシリテーターと兼任することも多いでしょう。議長は決定権を持っているため、自分の発言や態度が参加者に影響を与えることを認識しておきましょう。どんな意見にも耳を傾け、寛容な姿勢で臨みましょう。しかし、決議の時にははっきりと理由を明確化して話します。

発言しやすい雰囲気、過ごしやすい環境を作る

発言者は「聞いてもらえる」という手応えがあると非常に発言しやすくなります。ファシリテーター、議長、役職者など、リーダー的役割を担っている人は特に傾聴の姿勢が必要です。発言者の話を最後まで聞かない、途中で発言を奪う、頭から否定するなどはご法度です。もし趣旨の違う発言があったとしても、否定せず別途話を聞く時間を持つよう伝えると良いでしょう。

そして、参加者を疲れさせず頭脳をフル活用するために、部屋の温度や換気にも気を配りましょう。途中休憩を取って、気持ちと体をリフレッシュすることも大切です。時には場所を変えたり、ケータリングを利用したり、いつも新鮮な気持ちで参加できるように工夫すると良いでしょう。

ゴールを見失わない、具体的に動く

会議は、意思決定や問題解決、何かを行なうための手段です。ゴールはその先にあります。

あなたの会社では、どういう目的で会議が開かれることが多いのか、一度考えてみてください。情報交換なら、その情報はどこに使われているのでしょうか。出したアイディアはどれくらい実現しているでしょうか。

会議をすることそのものが目的になっているならば、会議の在り方を考え直す必要があります。

会議の後、決定事項、実行の方策、担当者、実行期限など、具体的になって共有されていることが理想的な在り方です。ブレインストーミングの場合でも、アイデアを出して終わりではなく、アイディアを分類し、次のアクションが見えるところまで行くと会議をした甲斐があります。


まとめ

以上、会議の基本についてお伝えしました。

今から20年ほど前、当時まだベンチャーに位置付けられていたあるIT企業は、ワンフロアがいくつかの会議室で構成されていて、和室、中国風茶室、英国風ティーサロンなど、さまざまな部屋が用意されていました。会議に出向く度に「今日はどの部屋だろう?」と考えるだけで嬉しく、会議自体もクリエイティブで何事にも話が早いことが印象的でした。(もちろんその会社はその後大躍進を遂げています。)

成果を上げている会社の会議のやり方は、ネット上や本で色々と紹介されていますので、興味がある方は研究すると面白いですよ。