今こそ学びたい!「コミュニケーション上手になる方法」

今こそ学びたい!「コミュニケーション上手になる方法」

ビジネスパーソンの自己研鑽を助けるメディア「リーダーシップドック」、先月から仕事術に関する記事をお届けしています。今回は、この時期だからこそ知っておきたい”コミュニケーション”について。「好きこそものの上手なれ」です。楽しむことでコミュニケーション上手を目指しましょう。

はじめに

私がよく相談を受けることの1つが、コミュニケーションについてです。人とのコミュニケーションに苦手意識を持っている人は少なくなく、リーダーの中にも少なくありません。

また、新型コロナウイルスの影響で人と会わないことが多くなったため、これまで以上に人とコミュニケーションを取ることが億劫になったという声も聞きます。

コミュニケーション力を磨くことは、仕事や生き方が楽になることに繋がるので、私たち全員に必要なものです。今回はコミュニケーション上手になる方法についてお伝えします。

コミュニケーションを楽しむ方法

誰でも楽しいことは喜んでやりますが、楽しくないことは億劫になります。コミュニケーション上手になる一番の近道は、コミュニケーションを楽しめるようになることです。では、どうやったらコミュニケーションを楽しめるのでしょうか?

1.知らなかったことを知る

知らなかったことを知ることは喜びでありメリットですから、「新しく知ろう!」と学ぶ意識でコミュニケーションを取ることが大切です。同じ容姿の人間が地球上に存在しないように、相手の仕事、業界、置かれた境遇などは自分は経験ができないことです。相手に関心を持つことで、相手が持っている知識を吸収することができますし、そこで気になったことを更に自分で調べれば、知識はもっと得られます。

また、その人がどんな考え方をしているのか、どんな行動を取っているのかを聞くことで、「知恵」が得られます。その知恵をもって「自分にどのように活かせるだろうか?」と考えることで、実用的な知恵へと変化します。社会は繋がっているので、必ず自分に関連することがあります。

例えば私が関心が高い分野の1つが芸術分野ですが、一番感じることが多いのは、やはり作家と話すことです。ただ作品を見るだけでも楽しく感じることも多いですが、アーティストたちがどのように作品を作っていくのかを知ると、自分が何かを作り上げるときに非常に参考になりますし、「この作品のように自分を良いものを作ろう」と刺激ももらうことができます。

2.反応上手になること

コミュニケーションは反応によって成り立つので、お互いの反応で質が変わってきます。反応良くコミュニケーションを取る代表的なものとして「傾聴」などが挙げられますが、今日は違う視点から「良い反応」について考えてみます。

私がオススメする方法は、事前に誰かとコミュニケーションを取ることが分かっている場合、相手の専門分野に関してある程度の下調べをしてから臨むことです。皆さんが自分の経験や知識を誰かに話す時に、「まったく分からないんですけど、すごいですね」という人と「その分野に少し興味があってちょっとだけ知っているんですが、〇〇ってどういうことなんですか?」という人と、どちらに対してコミュニケーションの意欲が湧くでしょうか。無論、後者であると思います。

自分のことを本当に知ろう、受け入れようとしてくれる人に対して悪い気持ちを持つ人はほとんどいないと思います。少しでも下調べをするということは、相手のことを知ろうと努力することであり、本当に親しくなりたいという意思を表します。下調べをすると、相手が持っているものをもっと引き出すことができるし、深いコミュニケーショを取ることができます。

形式的なコミュニケーションの時間ではなく、その時間に真実に相手のことを知ろう、理解しようとすることは、相手にも喜びと力になります。つまり反応を良くすることができれば、相手を幸せにしてあげることができるということです。反応上手になって自分と接する人のことも喜ばせ、幸せにしてあげられると、コミュニケーションを取ることが楽しくなり、もっと積極的になるのではないでしょうか。

3.その人との出会いが次にどのような展開になるのかを楽しむ

2人の人が北海道と沖縄からそれぞれ出発して、「日本のどこかで会おう」と言って会えたらどんなに感動するでしょうか。地球上の多くの人の中で、時や環境がたまたま整ってコミュニケーションを取るようになるということは、実はすごい確率だとも言えます。初対面の人でも、「この縁も何か意味があるだろう。ここから何か繋がるかもしれない」と考えると、コミュニケーションが楽しくなります。

実際、コミュニケーションを取った人が何かを探していたり求めている場合、相手に自分が知っていることを紹介したり、知人の誰かを更に紹介(当然ながら双方が望む場合)したりすることも、自分ができる相手への貢献です。そのように出会いを大切にしていると、自分にも良い出会いが回ってきます。わらしべ一本から物々交換をして、長者になったわらしべ長者のように、出会いは出会いを生みますが、出会った相手を大切にすることがポイントです。今後この出会いがどのように繋がっていくのか、まだ見ぬ未来を楽しんでみるのも、コミュニケ−ションを楽しむ方法の1つです。

また、その人と出会って学んだことを「最近こんなことをある人から学んだのですが」と次にコミュニケーションを取る機会に話してみることも、オススメです。相手から聞いたことを整理し発信することで自分の中に残るものがありますし、そこから更に話や出会いが予期せぬ方向に広がっていくと、教えてくれた相手への感謝が深まり、出会いが記憶されます。

時には「この人とはもうコミュニケーションを取りたくない」と思う場合もあるかもしれません。人生はどこでどう繋がっていくか分かりませんから、「もう金輪際会わない」と思うのではなく、「いつか人生のどこかで、あと一回くらい会うかもしれない」というくらいに思っておけば良いです(笑)。そう思うか思わないかで、相手への接し方が変わってきます。「もうこれから先会わないから」と思うと、相手への接し方が雑になり、場合によってはお互いに良くない感情で別れることにもなりますから、再会して何かを一緒にするようになったとき、非常に気まずいです(笑)。

自分の身に危険がある場合は、もちろん未練なくコミュニケーションを取ることを辞めたほうが良いですが、1つ1つの出会いを生かし、コミュニケーションが次に繋がるようにしておくことも、後々素敵なドラマを生み出してくれるかもしれません。

自分が無理してまでコミュニケーションにはこだわらない

コミュニケーションは楽しむことが大事と言いましたが、雨の日も晴れの日もあるように、コミュニケーションを取りたくないと思う時もあります。その時は、無理をしない方が良いです。

広くコミュニケーションを取ることだけが大事なのではありません。狭くでも、浅くでも、深くでも構いません。自分のペースで人とのコミュニケーションを楽しめるような体質を作ることが重要です。

人とのコミュニケーションに疲れた時は、動物、自然、人形など、何とでも良いので自分が楽なものとコミュニケーションを取ってみるのが良いです。人形などももちろん良いのですが、反応が返ってくることがコミュニケーションでは大きいので、オススメはやはり生きているものです。私が人とのコミュニケーションに疲れた時は、よく海に行って海とコミュニケーションを取っていました。

ボーッと眺めて話しかける、絵を描く、泳ぐ、コミュニケーション形態は様々ですが、必ず感じるものがあります。最近は海になかなか行けないので、木や空としばらく話し合います。自然とのコミュニケーションはとても良いです。季節によって変わるもの、変わらないもの、何かを感じることができ、相手を通して自分自身とゆっくりコミュニケーションを取れるからです。

そして、オススメは祈りです。祈りとは、神様とのコミュニケーションです。私は小学生の頃に「アルプスの少女ハイジ」の本を読んだとき、ハイジが必ず寝る前に神様にお祈りをしているのを読んで良いなと思い、寝る前の祈りを始めてみました。最初は願いごとだけだったのですが、徐々に悩みや嫌だったこと、嬉しかったことなど、人には言えないことを神様にだけは言えるようになり、しばらくは夜1人で祈る時間が楽しみの時間でした。今思うと、その頃の祈りでの神様との出会いが、今の人生に繋がっていると思います。本がくれた出会いから始まった、神様とのコミュニケーションですね。
このコミュニケーションから、私は余りにも多くのものを得るようになりましたが、長くなりますのでいつか他の機会にお伝えします。

どんな相手でも良いですから、1つのコミュニケーションを楽しめるようになると、徐々に活力が湧いてきて、またコミュニケーションを楽しく取れるようになると思います。

声をかけてもらうのを待つのではなく、先にかけてみる

コミュニケーション上手になる方法として、自ら先にコミュニケーションを取れるようにすることです。

もちろん先に話しかけたり、何かのアクションを起こすのはなかなか勇気が要りますが、難しいように思えても人間は繰り返し行うことで習慣や体質になっていきますので、何度かやってみれば必ずできるようになります。

自ら先にコミュニケーションを取る体質を作っておくと、その後の人生の多様なところで有益になります。まず相手を振り向かせなければならないので、相手の心を「お?」と一瞬で掴めむ力をつける工夫が必要ですから、努力をしていくと新鮮でユーモアがある人になります。次に、意識せずに自分が伝えたいことを伝える力が必要ですが、落ち着いて自分が伝えたいことを伝えられる力がついていきます。努力してこの体質を作っておくと、コミュニケーションへの恐怖心はなくなりますし、逆に自分が話し掛けられて予期せぬコミュニケーションを取らざるを得なくなった時も、緊張せずに自然に対応することができます。

楽しめるようになるためにも、ぜひ自らコミュニケーションを取ることを心がけてみてください。

まとめ

人間は1人で生きることはできません。もしあなたが砂漠の真ん中にたった1人で住んでいて、旅人が数年ぶりに訪ねてきてくれたとしたら、見ず知らずの人でも喜んで迎えるのではないでしょうか。コミュニケーションを取れる相手がいるというのは、嬉しいことなのです。

人とコミュニケーションを取ることにより、自分が学び、時には我慢する中で削られ、どんどん人格が作られていきます。必要なコミュニケーションを拒絶することは、自分の成長を拒絶することになるのです。
コミュニケーションを楽しめるようになり、徐々にコミュニケーション上手になると、その人の人生は必ずや楽しく豊かなものになると思います。
皆さんの人生が楽しく豊かなものになることを、心から祈念しています。

ふたりはひとりにまさる。彼らはその労苦によって良い報いを得るからである。 すなわち彼らが倒れる時には、そのひとりがその友を助け起す。しかしひとりであって、その倒れる時、これを助け起す者のない者はわざわいである。 またふたりが一緒に寝れば暖かである。ひとりだけで、どうして暖かになり得ようか。 人がもし、そのひとりを攻め撃ったなら、ふたりで、それに当るであろう。三つよりの綱はたやすくは切れない。
伝道の書 4章9-12 節