ウェットな職場、ドライな職場どっちが良い?
- 2022.08.04
- キャリア
- #人との距離感, #和して同せず, #言わずに不満をため込む人
職場での人間関係の距離感に、悩む方も多いのではないでしょうか?
ウェットな職場のベタベタした近すぎる人間関係の距離感が苦手、という方もいれば、ドライ過ぎてもっと近く仲良くしたいのにサバサバ仕事だけの関係で冷めた感じがして合わないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
その会社の文化や部門の文化によって、人間関係の距離感は大きく異なることは多くの方が体験済みと思います。
就職や転職、配置転換の前では分かりづらい、この人間関係の距離感について一緒に考えていきましょう。
なぜ、職場により人間関係の距離感が異なるのか
組織が人の集まりである限り、その組織の業態、業種、またその専門分野に伴い、人間関係の距離感が変わる場合があります。
具体的には、営業職や顧客折衝がある業種は必然的にコミュニケーションが活発であり、人間関係を円滑にするため、一定以上の距離の取り方が求められる場合があります。
営業の流れで休日に顧客や同僚とのゴルフや夜遅くまでの接待・親睦会があるがある事も少なくありません。
反対に研究開発、企画職はそこまで職場での付き合いは頻繁でなく、アウトプット重視の職種も傾向としてはあるかもしれません。
しかし、多くの場合はその職場のリーダーの考え方によって、部署の人間関係の距離感は大きく異なることが実態としてあるようにも思います。
リーダーの中には、プライベートな話も共有しながら部下や同僚の人柄、生活環境を知ってチームワークを深めたいと思われる方もいらっしゃれば、プライベートには立ち入らず、仕事での信頼構築を尊重したスタイルを取る方もいます。
ちなみに私はプライベートには立ち入らず、仕事での信頼関係構築に重点を置くタイプです。しかし不思議なことに、余りも立ち入らないためか、相手から話してくれることが多いように感じます。
考え方は様々でどちらが良い、悪い等は言えませんが、1つだけ言えることは距離感の取り方については、受け手側の距離感コントロールが重要になります。
本当の問題は「思っていることが言えない」こと
職場について考える時、集団としての特徴「ウェットorドライ」で好き嫌いが分かれますが、本当に大切なことは「自分の好みに合うか合わないか」ではなく、「心地の良い環境を自分自身で作れるか」が大切だと考えられます。
対人関係の距離感は人それぞれ適切と思うものが異なります。仕事に影響する分、相手を尊重した距離の取り方が重要ですが、相手が上司や取引先だと距離感が不適切・不快と感じても「我慢して言わない」などから嫌悪感をため込み、夜な夜な文句や愚痴会を開いてしまう人、心が弱ってしまう人、我慢が限界に達しキレてしまう人、突然の退職や異動願いを出してしまう人がいます。
何でここまで我慢してしまったのか聞いてみると、「言える訳がない」「言ったら嫌われる」との思い込みが多いように見受けられました。
確かに嫌われる可能性もあるかもしれません。しかし、重要なことはドライな職場であってもウェットな職場であっても、私たちは自分にとっての適切な距離感を知らせ、理解してもらう努力をすることです。
参考になる言葉として下記の言葉があります。
君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず
論語に出てくる言葉です。意味は下記の通りです。
徳のある優れた人は調和を大事にするので協調はするが、やたらと同調したりしない。自信のない人は主体性がないので簡単に同調するが、それは表面的なものであって心から調和はできないということ。
君子(徳のある優れた人)は相手を尊重しながらも自分の思っていることを伝えることができる人のようです。相手を大切にして尊重しているからこそ、自分の意見を主張することができるということですね。相手を大切に想い、配慮をしながら、自分自身の想いも大切にし、理解し合う努力ができる人が君子です。
逆に小人(自信のない人)は表面的には相手を尊重しているように振舞っていても、無理して合わせているだけで思っている事を言わずに不満を抱えている人のようです。
「同調しないとハブられる」
「調子を合わせておかないと後が怖い」
「損したくないから、適当に合わせておこう」
そのようにしたくなる気持ちはよく分かります。ただ、一時は安心を得られるかもしれませんが、そのように合わせていることは相手にも実は伝わっている場合が多いのも現実かもしれません。
主体性に欠け、互いを尊重できず、ただ合わせている人が中期的に良好な関係や質の高い仕事ができることは稀であるように考えらます。
皆さんも、ただ自分に合わせて本音が違っても言わずに不満を溜め込んでいる人がいたらどうでしょうか?
「言ってよ!!」となりませんか?
自分が願っているものを得るには条件が必要
~心地の良い関係を作るには聞くこと、知ること、伝えること~
距離感の違いは多々あります。似ている人はいても全く同じ人はいないですよね。また、自分を分かってほしいと願う人は多いですが、周りの人を理解したいと願う人と比較するとそこまで多くないかもしれません。
以前、私のはメンターは「自分が願っているものを得るには条件が必要」と話していました。
あなたが心地の良い人間関係の距離感を得るために、ぜひ、相手のことを聞き、知った上で、心地の良い関係を築く努力をして、あなたの心地の良い距離感を伝えてみてください。
相手を知ろうとする努力を行なってこそ、その次に自分の想い、伝えたいことが届くことが多いように思います。
それは、相手の話を聞いて相手を知り、尊重するスタンスが相手に伝わっているからこそあなたの想いも聞いてくれる、まさに「鏡の法則」のようなものですね。
様々な人がいるため、いきなりすべてが上手くいくとまでは言えませんが、少なくともあなたのことを理解して、適度な距離感を取ってくれる人は周囲に増える可能性はあると思います。
ドライでもウェットでも「和して同ぜず」、ぜひ、実践をしてみてください。
※本記事は、2020年3月23日に投稿された記事のリメイク版です。
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