自分のキャリアに満足?自分を知ってあなたの仕事をコーリングにしよう

自分のキャリアに満足?自分を知ってあなたの仕事をコーリングにしよう

はじめに

皆さんは「自分はキャリアにおいて成功していると思いますか。」と問われたら、何と答えるでしょうか。

「とても成功しているとは言えない」
「成功と言える状態ではない」
と思われる方も多いかもしれません。

しかし、キャリアにおける成功について、リクルートワークス研究所所長大久保幸夫氏は、著書『キャリアデザイン入門Ⅰ(基礎力編)』(日経文庫2006年)で以下のように記しています。

―キャリアの成功とは、自己イメージ(アイデンティティ)と照らし合わせた基準で、仕事にフィット感・納得感がある状態であり、世の中の一般的基準による「他人より多い収入」とか「同期よりも早い出世」とか「名誉ある地位」とか「あふれるほどの資格」とかではない、仕事を通じて自分が活かされていると実感でき、幸福感を味わえる状態であるー

簡単に説明するなら、自己イメージと仕事が一致し、自分が活かされて楽しく仕事できている状態といえます。

これは、以前お伝えした「コーリング」の状態です。(※参考2を参照)

今回は、キャリアの成功ともいえる「コーリング」に繋がるための、自分と仕事の関係と捉え方についてお伝えします。

キャリアを強化する3つの要素と働き方のスタイル

キャリアプランニングのエキスパート、ダン・ショーベル氏は満足のいくキャリアのためには3つの決定要素、①Passion(情熱、関心)、②Strength(強み・力)、③Market(市場)がすべてそろう必要があるといいます。

情熱があってその勉強をして強みを持っても、雇う側のニーズに合っていなければ仕事そのものがありません。あるいは、とても良くできるけれども好きではない仕事は、稼ぎが良くても虚しさを感じます。

初めに、自分のことである①Passion(情熱、関心)、②Strength(強み・力)を把握します。

関心のあること、得意なことを書き出してみます。そして、得意なことリストを作成し、好きな順にランキングします。難しい場合は達成感のあったこと、集中してやれたこと。好きだった仕事、嫌いだった仕事など過去にあったことを振り返ってみると良いでしょう。

ランキングができたら、友人・家族・会社の同僚など周りに見せてフィードバックをもらいます。周りにも自分のことを理解してもらえますし、客観的な見解には意外なヒントが隠されています。自分を生かすためのアドバイスをもらえるかもしれません。

次に、③Market(市場)について。

これから就職する人は自分のランキングリストを実現できそうな職場をリサーチします。すでに仕事をしている人なら、今の状況と照らし合わせて、もっと自分が活かされるようにする方法はないかを考えます。

また、忘れがちですが、働き方のスタイルも考えておく必要があります。組織の中で働く、フリーランス、起業経営をする、では働き方のスタイルが全く違います。仕事とプライベートをはっきり分けたいのか、家で仕事をしたいのか、など、自分のワークスタイルの理想形を考えておくと良いでしょう。

個性と才能はあなただけのもの

市場ニーズや働き方のスタイルの変化は近年とても激しいです。このところテレワークを導入した企業が相次いでいますが、このことで「企業に属しながら自宅で働く」というスタイルが確立するかもしれません。

市場の変化に対応していくためには、根本となる自分自身の個性を知って、その才能をどう活かしていくか、を柔軟に考えていく必要があります。自分の得意なこと好きなことのリストには、自分の個性と才能が詰まっています。自分という存在は世界でたった1人だけです。その土台の上に「才能」が発揮されます。才能は種のようなもので、開発することで育てていくことができます。

自分を活かすのは他ならない自分です。自分をよく知り自発的に自分を育てていくことで、コーリングの働き方に近づくことができます。

最後に

キャリアの語源は車輪の「わだち」、つまり自分が通ってきた道を表します。未来のキャリアは自分が作るもの。収入や出世のような目に見える形だけでなく、何が自分にとっての「幸せ」なのかを考え、それぞれの「キャリアの成功」を掴めるようになればと思います。

参考:
1.『キャリアデザイン入門Ⅰ(基礎力編)』,大久保幸夫著,日経文庫2006年
2.『仕事へのモチベーションが高い「コーリング(Calling)」タイプとは?』(リーダーシップドック記事)
https://leadershipdock.net/post-1006/
3.『プロモート・ユアセルフ 最強のキャリアをつくる働き方』,ダン・ショーベル著,佐藤由樹子訳,KADOKAWA2015年
4.『キャリア・カウンセリングが会社を強くする』,岩尾啓一著,経済界2004年

※本記事は、2020年3月9日に投稿された記事のリメイク版になります。