支配欲が強いリーダーが統率力を高めるための3つのポイント

支配欲が強いリーダーが統率力を高めるための3つのポイント

色んなタイプのリーダーと接してきましたが、責任感が強く、意識が高いリーダーほど、統率力があり、組織をコントロールする力が強い傾向にあると思います。責任感が強いというのは素晴らしいことですが、強すぎるとつい「失敗ができない」「絶対に成果を出す」という意識になり、過度の現場介入によって社員やメンバーと衝突してしまうことも少なくありません。

支配欲が強いリーダーは、初めは組織に有益をもたらしていることが多いのですが、最終的に感情の衝突などからメリットをもたらした部分まで忘れられてしまい、後味悪くリーダーの位置を去る、ということも少なくありません。これは本当に残念なことです。

このようなことにならないために、比較的に支配欲が強めのリーダーがどのように行動すれば良いのか、3つのポイントをお伝えしたいと思います。

 

ポイント1:「ポリバレント」であること


まず前提として、リーダーとは「使ってもらっている」存在だ、という認識を持つことです。

「みんなを使ってあげている」と考えるリーダーもいると思いますが、今の時代には合いません。リーダーも組織や人々の信任のもと、「使ってもらっている」存在でもあるため、組織や人々が「NO!」といえば、その位置を去らなければなりません。

サッカーに興味関心がある人は知っているかもしれませんが、「ポリバレント」という言葉があります。入れ歯のお薬ではありません(笑)。

「ポリバレント」とは、本来、化学分野において「多価」を意味する言葉だそうですが、サッカー界では、「複数のポジションをこなすことのできる選手」という意味で使われます。こういった選手は非常に重宝されます。特に代表チームなどでは、限られたメンバーしか選考できないため、選手が怪我をしたりアクシデントに見舞われても、こういう選手がいると計算が立ちます。

もう1つ、「1つのポジションで多様な動きができること」という意味も含まれるます。自分の武器はこれ!という絶対的な1つを持つことも良いのですが、時々刻々と変化する試合の中で、変化をもたらしたり機能するために必要な要素です。

サッカー界で監督として圧倒的な成績を残した名将、アレックス・ファーガソンという監督がいます。サッカーの最高峰と言わるイングランドリーグで、マンチェスター・ユナイテッドという強豪を27年間指揮し、圧倒的な戦績を残しました。彼が長く結果を残し続けられた理由は様々にあると思いますが、彼のチームはいつも固定されていたのではなく、変化に富み、状況対応能力に長けていたそうです。

私は、リーダーこそ、「ポリバレント」であるべきだと思うのです。リーダーが多様な役割を果たすことができれば、どんな状況でも組織に変化をもたらせるし、組織自体にも多様性が出てくると思います。「ポリバレント」であるためには、自分の武器は生かしつつ、プレーの幅を広げる必要があり、不断の努力が必要です。

 

ポイント2:「説得と感動のカリスマ」になること

私が師事する牧師先生から学んだ素敵な言葉に、このような言葉があります。

「『強要と血気のカリスマ』ではなく、『説得と感動のカリスマ』になりなさい。」

リーダーは、プロジェクトを推進するだけがミッションではありません。同時に人を育てていかなければならないのです。なぜなら、組織の1番の資本は人材だからです。

人は動物ではありません。鞭ではなく、言葉で人を動かし、統率力の中に感動があれば、メンバーたちは自然と能動的に動くでしょうし、信頼関係も作られ、その組織の雰囲気はとても良くなるでしょう。

「説得と感動のカリスマ」になりたいものですね。

 

ポイント3:人間力と愛を高めること


蜜のあるところに昆虫は集まり、豊かな水辺に動物は集まります。では、人間はどこに集まるのでしょうか。

人間は、愛のあるところに集まるものです。

「たといわたしが、人々の言葉や御使たちの言葉を語っても、もし愛がなければ、わたしは、やかましい鐘や騒がしい鐃鉢と同じである。」(コリント人への第一の手紙 13章1節)

統率力があり、支配欲が強めの人こそ、愛が必要だと思います。この愛というのは自分からの一方的な愛ではなく、双方向でやり取りされるものです。まずは相手を知るところに、愛があります。

組織目標の達成も大事だし、プロジェクトの推進も大事ですが、リーダーもリーダーという位置を離れたら1人の人間です。人間として、一番大事なことは愛だ、と聖書にもあります。

良き親である前に、良き人間でなければならいように、良きリーダーである前に、良き人間にならなれけばなりません。いつも人間力を高め、愛で自分自身を満たす努力、それこそが真のリーダーに必要なことではないでしょうか。

 

最後に


組織をまとめる、ということは簡単なことではありません。あるサッカーが盛んな国では、大統領とサッカーの代表監督だけは、なりたくない職業だと言われているそうです。皆の期待が強く、かかるプレッシャーが半端ないからだそうです。

確かに大変かもしれませんが、困難な中でも周りを納得させ、信念を持って突き進めていくことができるリーダーを、皆は待ち望んでいます。責任感が強く、統率力のある皆さんが、変化されてより良いリーダーとなることを、組織も社会も待望しています。

今回お伝えさせていただいたリーダーとして持つべき3つの素質は、備えていればどんな組織、どんな状況においても活かせる能力だと思います。今回お伝えした内容が、少しでも皆さんのご活躍に貢献することができれば幸いです。