「コンフォートゾーン」を抜け出して、成長を手に入れる

「コンフォートゾーン」を抜け出して、成長を手に入れる

コンフォートゾーンとは

毎日、快適な我が家でくつろぎ、気分良くオフィスで仕事し、理解し合える仲間とだけ過ごしている。それは理想的な生活かもしれません。まさに「居心地の良い場所」。そのような場所をコンフォートゾーンと言います。日本語で言うと安全地帯ですね。

慎重な人ほど、成功する保証や確証がない状況で現在の快適なコンフォートゾーンから抜けることを躊躇してしまいます。しかし、「成長」の観点からは、このコンフォートゾーンから抜け出すことが求められます。

なぜでしょうか?

コンフォートゾーンにいる限り、自分が今まで持っているスキルや人格のレベルで諸々通用することができてしまうため、レベルを上げるための努力をする必要がありません。むしろ現状のままでも十分、承認され、心も身体も満たされることもあります。変化してレベルを上げる必要が無い環境・状況だからです。リーダーを目指し、成長したい人は現状維持のままでは変化がなく、成長することができないため、勇気を出し、このコンフォートゾーンを自ら抜け出す必要があります。

コンフォートゾーンの先の世界

では、コンフォートゾーンの先の世界はどのような世界でしょうか?その先にはラーニングゾーン、パニックゾーンの2つの世界が広がっています。

ラーニングゾーン

ラーニングゾーンは、コンフォートゾーンの一歩先に広がる世界です。このゾーンは今までの自分のスキルセットや考え方があまり通用しない未知の世界で、汗かき、恥かき、適応するために試行錯誤する領域です。学校を卒業して就職した時は、このコンフォートゾーンから抜けて、ラーニングゾーンに来た状態です。また、新しいプロジェクトや役職、慣れ親しんだ職場から同業種への転職など挑戦する時もラーニングゾーンに一歩進み出た状態と言えます。まさに名前の通り、学習する領域ですね。

パニックゾーン

このパニックゾーンはラーニングゾーンよりもさらに先のゾーンです。今までのスキルセットや考え方が一切通用しない世界です。歯が立たない、コントロール外のことが大半で、人によっては精神的に不調をきたすゾーンです。今までの常識が一切通用しない海外での生活や全くの異業種などの転職、2階級特進などの出世によりポジションチェンジなどがそれに該当するかもしれません。

実は私はこのパニックゾーンを経験したことがありました。25歳の時、上海へ転勤になりましたが、上海に赴任して仕事をし始めると、自分が頼りにしてきた日本での経験は何の役にも立たず、周りを見渡しても日本人は自分ただ一人。27人の中国人の部下を持つ、営業の責任者である立場。それは、マネジメント育成でよく言われる修羅場経験そのものでした。

修羅場の中で周りを変えることは不可能です。変化をさせなければ修羅場がずっと続き、状況は悪化していきます。すぐに変化を起こせる、変えられる対象は自分自身。パニックを治め変化を起こすために変えるべきは周りではなく自分になります。まさにパニックゾーンでしたが、この経験がその後の自分自身の変化、キャリアを伸ばすことに大きく役に立ちました。

 

コンフォートゾーンを抜けることは快?不快?

先の説明を読むと、コンフォートゾーンを抜けることは一定以上のストレスがかかり、「不快」であることは明らかですね。

それは人間の脳の最優先事項が「生存すること。生命を維持すること」にあるからです。よって脳はあらゆる変化を嫌います。たとえそれが、自分を成長させるための前向きな変化だったとしても、脳は抵抗します。「あかん!変わったら死ぬかもしれんやろ!」という具合に不快や不安になる訳です。

時代の流れ

しかし、いくら脳が変化を嫌っても、私たちを取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。『フラット化する世界』などの著者として有名なジャーナリストのトーマス・フリードマンは新著『遅刻してくれてありがとう』(日本経済新聞出版社刊  伏見 威蕃 訳)で「加速化」について以下のように語っています。

世界はいまじがたいスピードで変化しており、その速さは私たちの思考や制度が追いつかないほどの速さ。フリードマンは2007年以降を「加速の時代」と位置付け、世界がいかに劇的に変化してきたかを描き出しています。約2年ごとに半導体の集積度が2倍になる(つまり幾何級数的に性能が高まっていく)「ムーアの法則」やクラウドによって、人類の暮らしは大きく変わり、これらのテクノロジーは、昨日までは不可能だったようなことを、きょうには可能にしてしまうほどの凄まじいスピードで進化しています。

この「加速化」の時代において、『現状維持』をしていくことは自然の摂理に反した状態と言えるかもしれません。「加速化」する人間の暮らしの変化において、過去の安住したコンフォートゾーンにいること自体が難しくなっている時代と言えます。

コンフォートゾーンを抜けるために

コンフォートゾーンを抜け出すには、今までやって不安や心配で挑戦することをためらっていた小さなことに挑戦することが良いかもしれません。具体例として以下のことを試してみると、コンフォートゾーンを抜け出すことができます。

・苦手な人(今まで挨拶を避けていた)に率先して挨拶をする
・異なった価値観を学んでみる(海外での単身生活)
・新しい役割に立候補してみる
・何でも今までより「早くやる」ことに挑戦する
・人前で話す機会を作る
・難しい資格試験に挑戦し、学習をやりきる

この他にも、会議で一番に発言する、上司に意見する、朝早く起きるなどと言った小さなことからでもコンフォートゾーンを抜け出していくことができるので、最初から大きな挑戦をすることに抵抗がある方は小さいところから始めてみるのが良いでしょう。

変化をする目的

リーダーを目指す皆さんの中には「慎重」な方もいらっしゃるかもしれません。慎重であることはより良く考えたり、対策を打つ上でとても良い特徴だと言えます。ただし、不安や心配が大きく、躊躇して現状から抜け出せない、変化できない状況がある場合は、より自分自身のレベルを上げていくための変化の「目的」を定めてください。

先に考えでその目的を整理し、十分その必要性を考え感じることから始め、小さなことからコンフォートゾーンを抜け出し、大きな変化を作り出すための実践を継続をしていくことができれば、コンフォートゾーンを抜ける以上の変化を自分自身に起すことができます。その先に、リーダーとしてまた一つステップを上げた自分自身とも出会えるはずです。

   
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