世の中に沢山あるリーダーシップ論、どれを選択するのが正解!?

世の中に沢山あるリーダーシップ論、どれを選択するのが正解!?

私は今までリーダーとして悩んだ時、本屋に立ち寄り、リーダーシップについての書籍に解決策を求めて、いくつもの本を手に取り購入し読み漁りました。

「○○○論」、「○○学」、「私はこうして○○した」…。そのまま試してみたりもしましたが、いまいちしっくりこなかったりもしました。

様々なリーダーシップの考え方がある中で私たちがどのようにリーダーとして成長していけば良いのか一緒に考えていければと思います。

リーダーシップのイメージ

仕事がら様々なリーダーの方とお話する機会に恵まれていますが、その中で気付くことがありました。それは、リーダーシップの言葉の定義が様々であること、その言葉の裏にあるイメージが人により異なるということです。

ある人は「アグレッシブにメンバーを牽引することがリーダーシップ」、またある人は「メンバーをサポートすることがリーダーシップ」、またある人は「高圧的な態度で部下に接し、強制や命令、叱咤を繰り返すことで奮起を促すことがリーダーシップ」と人によりそのイメージや定義は様々でした。

状況により取るべきリーダーシップは異なる場合もあり、正解、不正解はないものの、職場・組織の状況を見ると一定程度の成果を導き出すリーダーシップと、そうではないリーダーシップがあるようです。

ドラッカーは、リーダーの定義について次のように言っています。

「リーダーに関する唯一の定義は、つき従う者がいるということである」

ここでの「つき従う者」の意味は「強制的に従わせられる」奴隷のような意味合いではなく、「そのリーダーを信頼するがゆえに自らの意志に基づいて従う者」という主体的に本人が望む能動的な意味となります。

しかし、「職位」や「金銭」、「名誉」等で人を従わせようとする人がいるのが現実かもしれません。しかし、日々の言動や仕事ぶりが周囲から評価され信頼を勝ち得た人と、そうではない人ではどちらがリーダーに相応しく、メンバーを活躍させることができるかは明白だと考えられます。

「信頼」という中身が伴っていない場合、形骸化した組織となっており、真の意味でのリーダーは存在しないと言えるかもしれません。

リーダーシップの前提条件

リーダーシップの前提となるものはどのようなものがあるのか、ドラッカーの言葉から紐解いていきましょう。

リーダーシップを、地位や特権ではなく責任と見ること

「優れたリーダーは、常に厳しい。事がうまくいかないとき、そして何事も大体においてうまくいかないものだが、その失敗を人のせいにしない。」

これは「信頼」の基礎となるかもしれません。改善が必要な組織に高い確率で存在するのが「役職だけリーダー」。「役職だけリーダー」は自組織の様々な失敗の原因をメンバーのせいにすることが常態化しています。

組織改善の仕事で様々な組織の会議に同席させていただくことがあるのですが、停滞している部署のリーダーほど失敗事案について問題の分析や課題の特定、解決策の提案、サポートの依頼等はなく、特定メンバーの個人の能力等の問題の報告に終始する傾向がありました。

この場合、前提として「役職だけリーダー」には責任者として責任を取ることの意識がないため、解決に目が向いておらず、「リーダー」という真の意味の役割の遂行ができていません。

まず、メンバーが失敗したことも、自組織で起こったことは自分に責任があるという意識に基づいて行動することがリーダーシップの前提となります。

組織の使命を考え抜き、それを目に見えるかたちで確立すること

「リーダーとは、目標を定め、目標に対しての優先順位の基準を決めてその体制を維持していく者である」

昇進や異動によって組織を引き継いだ時、今までやっていたことをそのまま引き継ぐ考えもあります。しかし、外部環境は日々その速度を増し変化し、目まぐるしく動いています。

激しく変化する外部環境の中で「維持」をすることは「発展」をすることと同等のエネルギーが必要になることを考えると、より俊敏に目標も変化させ、優先順位の基準と体制を変化適応、変化創造をすることが不可欠となります。

また、目標を達成させるためにはリーダーに自らも目標に対して行動規範になることが不可欠です。仕事を成し遂げる者こそ真のリーダーであり、その人の行動こそがリーダーシップとなります。

3種類のリーダーシップ

様々なリーダーシップ論がありますが、今回はレヴィンのリーダーシップ論について触れていきたいと思います。米心理学者クルト・レヴィンのリーダーシップ論は、3つのパターンに分類されています。

・専制的リーダーシップ
・自由放任的リーダーシップ
・民主的リーダーシップ

上記について、1つずつ紹介していきます。

専制的リーダーシップ

専制的リーダーシップは『組織、部下は命令をすることで動く』という考え方を前提としているため、目標設定、詳細なKPI設定、スケジュール管理といった全ての意思決定をリーダーが行ないます。

指示された仕事をこなすため、仕事ボリューム、パフォーマンスともに早く結果を出すことに繋がり、効率の観点からは高い生産性を実現できます。

そのため、決まった作業ベースの職種や早期での業務改善が必要な場合、有効なリーダーシップと言えます。

一方で、メンバーは指示が無ければアクションを起こさなくなり、メンバー同士の軋轢や不信感を招きやすく、組織としては成熟を望めません。

このリーダーシップは、
A:早期に組織改善が必要な状況で各種問題の事態収拾にあたるケース
B:経験が乏しい未成熟な組織状況で安全に組織運営を進めることができないケース
の2つのケースでのみ有効です。

自由放任的リーダーシップ

自由放任的リーダーシップは『部下任せ、自由かつ奔放な発想がいい』という考え方を前提としているため、メンバーの高い専門性や倫理観、組織としての高いレベルが維持できる場合、成功可能性が高いです。

研究開発部門やコンサルティングの専門部隊などのイメージです。

スペシャリスト集団であればメンバーの能力・スキルが如何なく発揮できますので、有効です。

スペシャリスト集団ではない一般的な組織がこのスタイルを選択すると、組織がバラバラになり、モチベーション、パフォーマンスともに低下する恐れがあります。

民主的リーダーシップ

民主的リーダーシップは『組織で決定すべき方針や目標などの課題にメンバーの意見を取り入れ、具体的な作業手順はついてもメンバーの裁量に委ねる』という考え方を前提としています。

組織の目標設定に積極的にメンバーの意見を取り入れるため、メンバーは同じ方向に向かいやすく、協調や連携が生まれていきます。

また、メンバーの担当範囲のアクションプランもメンバーの裁量に委ねるため、各個人のモチベーションは高まります。

しかし、メンバーの能力・スキルによっては、専制的リーダーシップと比べると生産性は下がります。

長期的な組織構築の視点から考えると、民主的リーダーシップを尊重する組織は経営課題に組織一丸となり取り組むことができる組織風土となるため組織の成熟度が高まると、個々の力を活かせる素晴らしい組織となります。

ーーー
リーダーとして最も大切なことは、様々な状況により自らの責任においてリーダーシップのレパートリーを選択できるように考え方と能力を磨き、状況により駆使できることです。

特に緊急的な改善が求められる組織においては、戦略的に専制的リーダーシップで改善を測りながらも中長期的に民主的リーダーシップを取り入れる等の工夫と知恵が必要となります。

リーダーの真の役割は、部下のリーダーシップ能力の開発

リーダーが最も意識し、果たすべき役割はメンバーのリーダーシップ能力の開発です。

若手リーダーの中には中々メンバーに仕事を任せられず、本人ばかり忙しくなり、メンバーはどうして良いのか分からないような組織も存在します。そのような状況の中、「メンバーが何もしない」等の言動をするリーダーは役割の変更も検討する必要があります。

これでは育成に繋がらないばかりか組織全体のパフォーマンスやメンバーのモチベーションも低下し、結果的に形骸化した真のリーダー不在の組織となってしまいます。

下記の点を意識して、ぜひメンバーに機会と適切なアドバイスを実施してください。

1.メンバーが自ら考えるようにする
2.すべてのメンバーに考える機会提供をする
3.メンバーたちが考えたプロセスの実行を見守りながらサポートする
4.メンバーが主体的に設定した課題達成のためのアクションに対する賞賛とアドバイスをする

最後に

世の中には様々な組織論や研究があり、私たちの前には選択肢が溢れています。また、様々なベンダーが溢れ、手法ばかりが注目されています。

大切なことはみなさん自身がメンバーとして「信頼」できるリーダーのイメージを明確に持ち、そのイメージに沿って、自分自身を変化させることです。

そのためにもメンターを付けることをお勧めします。私のリーダーとして尊敬するメンターは自らが「実践者」として頭だけではなく、実際に「感覚」を持って大切な考え方や目的を教えてくださいます。

目的を明確すると自ずと選択すべき手法は決まりますので、ぜひ、イメージを明確にしてメンターを探してください。

   
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